アメリカでは、HUAWEI(ファーウェイ・華為技術有限公司)をはじめとする中国企業の締め出しの動きが強まっています。
そして、中国がこれに対抗するなど、その対立は激化しています。
しかし、この動きを単なる政治的な対立だと捉えるのは危険であり、私たちの生命にかかわる重大な問題です。
そこで、今回は、HUAWEIをはじめとする中国の通信機器を使ってはいけない理由について解説していきます。
HUAWEI製品自体が問題なのではない!
先に申し上げておけば、本記事ではHUAWEI製品そのものを批判するつもりは一切ありません。
むしろ、HUAWEIは、スマートフォン市場の低価格化を進め、人々にとってインターネットをより身近なものにさせたという実績があります。
スマートフォンの価格が高騰する中で、低価格市場を作り上げたのはHUAWEIであるといっても過言ではないでしょう。
日本のみならず、あらゆる国でスマートフォンを普及させ、情報を手軽に受信・発信できる環境づくりに貢献したのは、中国製の安い製品のおかげであるといえます。
諸悪の根源は中国共産党だった
では、なぜ、中国製通信機器を排除すべきだと言われるのでしょうか。
実は、その原因は、通信機器メーカーではなく中国政府にあります。
すなわち、「ハード的なリスク」でも「ソフト的なリスク」でもなく、中国製であるが故の「法的なリスク」が存在するのです。
より具体的にいえば、中国には「国家情報法」という法律が存在します。
この「国家情報法」が、HUAWEI製品を凶器に変えてしまう恐ろしい法律なのです。
「国家情報法」とは?
そもそも、「国家情報法」とは、「国の情報活動を強化、保障し、国の安全と利益を守ることを目的とする」法律です。
この中でも、自由主義諸国からの懸念が高まっているのが、「国家情報法」第7条です。
いかなる組織及び個人も、法律に従って国家の情報活動に協力し、国の情報活動の秘密を守らなければならない。国は、そのような国民、組織を保護する。
中国 国家情報法第7条
本規定には、中国の国民・組織が、中国政府の情報活動に協力する義務が示されています。
これは、言い換えれば、「中国国民・中国企業は、嫌でもスパイとして活動しなければならない」ということです。
これは、当然、HUAWEI社も例外ではありません。
中国政府が、HUAWEI社にスパイ行為を命令したら、それを拒否することはできないのです。
中国製スマートフォンの危険性
中国政府が、「国家情報法」第7条に基づきスパイ行為を命じた場合、具体的には、どのような影響があるのでしょうか。
想定される影響をまとめました。
・スマートフォン・タブレットのカメラが、スパイ活動に用いられる
・リアルタイムの位置情報が、中国政府に流出する
・中国製スマートフォン・タブレット内に登録されている「連絡先」が、中国政府に流出する
・マイク機能によって日々の会話が盗聴され、中国政府に流出する
・登録したスケジュール情報が、中国政府に渡る
この中でも、一般国民が注意すべきなのが、「連絡先」の流出でしょう。
これについては、個人だけの問題では済みません。
友人・職場の連絡先などが流出すれば、信用問題にもかかわり、他者に重大な影響を与えることは間違いありません。
自分が、「加害者側」にならないためにも、中国製スマートフォンのリスクは知っておきたいところです。
また、官僚や政治家など、国家機密を扱う者については、これらのことには特に注意する必要があります。
リスクは「国家情報法」の存在
前述の通り、問題なのは「メーカー」ではなく、中国国民・企業をスパイに仕立て上げる「国家情報法」の存在です。
そうであるならば、国内から締め出すべきは、HUAWEI社だけではありません。
あらゆる中国製通信機器を、安全保障の観点から、除外する必要があるのです。
近年、日本国内でもシェアを伸ばしている中国製通信機器メーカーを列挙しておきます。
・HUAWEI
・OPPO
・Lenovo
・Xiaomi
・ZTE
・TCL
これらの企業の製品は、いずれも割安です。
しかし、これらの企業の製品には、重大な法的リスクが存在するということを頭に入れておく必要があります。
日本政府は、中国製通信機器を積極的に排除すべき
本記事では、中国製通信機器の危険性を解説しました。
そして、この中国製通信機器の危険性については、国民全体に周知していく必要があります。
しかしながら、この役割は、本来、日本政府が行うべきだといえるでしょう。
国民の生命・財産を保護するのは、国家の一義的な役割に他ならないからです。
アメリカやイギリスが積極的に中国製品を排除する中、日本政府も、国民の生命・財産を守るため、また、自由主義を守る立場として、足並みをそろえる必要があるのではないでしょうか。